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ベートーヴェン\r①ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110\r②ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111\r\rヨウラ・ギュラー(ピアノ)\r録音:1973年\r\rギュラーは1895年にマルセイユで生まれ、1980年に没した女性ピアニストですが、メジャー・レーベルへの録音はほとんどなく、一般には無名に近いと思います。が、このベートーヴェンの名演奏が評判を呼び、ショパンやモーツァルト&ベートーヴェンのピアノ協奏曲などの過去の放送録音などが発掘され、熱狂的なファンも増えています。\r\rこのディスクは、ギュラー78歳のときに録音されたものですが、ギュラーの生演奏に感動したアルゲリッチが、ギュラーを必死に説得して、なんとか録音までこぎつけたとの話もあり、この名盤誕生はアルゲリッチにも感謝しなければなりません。ある程度ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタを聴き込んでおられる方ならこの演奏の素晴らしさはお分かりいただけると思います。空前絶後の名演です。録音もまずまずです。このディスクは廉価盤として発売されたものですが、現在は入手困難だと思います。\r\rこれほどまでの名演は滅多にありません。この演奏が私の感性に最も響き、特に32番では涙が止まらず、つたない言葉にすれば、過去の悲しみ、苦しみ、喜びを全て肯定して人生にただ素直に感謝できるような、温かい気持ちにで一杯にさせてもらえる素晴らしい演奏です。聴き終えた後、人間ベートーヴェンがとても愛おしくなります。\r\rなんとも伸びやかで自由闊達な、まるで天空に舞い上がっていくような気分になるベートーベンだ。ドイツ系のピアニストにる重厚で枯れた味わいのこの曲のイメージを一新させる、歌心にみちた軽やかで色気さえ漂うユニークな唯一無二と言うべき演奏。作曲者、演奏者共に老境にさしかかったからこそできる、慈しみと愛に満ちた哀しみの歌に圧倒される。女流だからと言ってこぢんまりとした 世界を想像してはいけない。非常に柄が大きく雄大な世界が広がる。\r\r円熟感が素晴らしい。ゆったりと歌う場面でさり気なく滲み出るニュアンスの深さ、多彩さには感服。まさに練達の至芸。こういう玄人好みの演奏は、一見地味に思えるから、良さが分からない人がいるのかもしれない。\r\r輸入盤【廃盤】盤面傷無し ヨーラ 66\r\r＊まとめ買い値引き致します(要事前コメント)